基本情報技術者過去問

平成17年 午後 問5

最終更新日 2005/11/30
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  基本情報技術者過去問(午前・午後)
   基本情報技術者過去問 平成17年 午後 問5

問5 プログラム設計に関する次の記述を読んで,設間1〜 4に答えよ。

 社員が所属する部署,従事する職務や階級などを管理する社員表を,昇級,昇格,
職務変更などの人事変更情報を基に更新するシステムを設計する。

〔A社の人事規定と人事変更情報〕

(1)社員には,入社時に7けたの数字からなる社員コードを割り当てる。社員コード
  は,社員を一意に特定できる重複しない番号である。
(2)すべての社員は,一つの部署にだけ所属する。部署名は,部署コードをキーとし
  て部署表に格納されている。部署表のレコード様式を次に示す。下線は,主キーを表す。

   _
部署コード  部署名 

(3)営業,事務,技術などの職務名は,職務コードをキーとして職務表に格納されて
  いる。職務表のレコード様式を次に示す。また,すべての社員は一つだけの職務につく。

   _
職務コード  職務名 

(4)すべての社員は,管理職か一般職かのいずれかの職群に属する。管理職には1〜
  20級の階級があり,一般職には1〜 30級の階級がある。階級の値が減ることを階
  級が上がるという。
(5)社員の入社年月日,所属する部署,従事する職務などの情報は,社員コードをキ
  ーとして社員表に格納されている。社員表のレコード様式を次に示す。

   _
社員コード  社員名   入社年月日   部署コード   職務コード   職群   階級 

(6)別の職務を希望する社員は,毎年3月1日から3月15日までに,希望する職務
  を会社に伝える。この情報は,職務変更ファイルに許可フラグの初期値を0として
  格納される。職務変更ファイルのレコード様式を次に示す。

   _
社員コード  希望職務コード   許可フラグ 

(7)会社は,社員が希望する別の職務への従事を許可する場合,毎年3月31日まで
  に,職務変更ファイルの許可フラグに1を設定する。その年の4月1日には,会
  社が許可した社員の職務を希望した職務に変更する。これを職務変更という。
(8)会社は,一般職の社員のうち管理能力に秀でた社員を,管理職に任命する。これ
  を昇格という。昇格候補の社員の情報は,毎年3月31日までに昇格候補ファイル
  に格納される。昇格はその年の4月1日に行い,当日職務変更していない社員だ
  けが昇格できる。昇格のとき,職群は管理職に,階級は20級になる。昇格候補フ
  ァイルのレコード様式を次に示す。

   _
社員コード  昇格理由 

(9)会社は,毎年4月1日に職務変更も昇格もしていない社員の階級を2上げる。
  これを昇級という。ただし,昇級前の階級が2級又は1級の場合は1級となる。
  また,入社後1年に満たない社員は,昇級の対象から除外する。
(10)会社は,毎年4月1日に,社員に対して所属している部署から別の部署へ異動
  する人事異動を発令する。人事異動の発表資料の例を図1に示す。異動の対象社員
  の情報は,前日までに異動ファイルに格納される。異動ファイルのレコード様式を次に示す。

   _
社員コード  異動先部署コード 



図1 人事異動の発表資料の例

(11)図2に社員表の更新に必要なファイル作成の流れ図を,図3に社員表の更新と
  人事異動の発表資料作成の流れ図を示す。図中の昇格者ファイルは,職群を更新す
  る社員の社員コードだけのレコードからなるファイルである。階級更新ファイルは,
  階級を更新する社員の社員コードだけのレコードからなるファイルである。

表は,図2と図3で使用する処理を分類し,機能概要を一覧にしたものである。

表 処理と機能概要の一覧

処理 分類 機能概要
1 抽出 職務変更ファイルからレコードを読み込み, 許可フラグが1 のレコー
ドをS1ファイルとして出力する。
2 突合せ 【 a 】ファイルとS3ファイルを読み込み,読み込んだレコードの
社員コードを比較し,【 a 】ファイルにはなくS3ファイルにはあ
る社員コードのレコードを, 昇格者ファイルとして出力する。
3 抽出 社員表からレコードを読み込み,階級の値が2〜 30であって入社年月
日が前年の4月1日以前のレコードを選び,社員コードの昇順に並
べ,S4ファイルとして出力する。
4 突合せ 【 b 】ファイルとS4ファイルを読み込み,読み込んだレコードの
社員コードを比較し,【 b 】ファイルにはなくS4ファイルにはあ
る社員コードのレコードを, 階級更新ファイルとして出力する。
5 更新 階級更新ファイルから読み込んだレコードの社員コードを用いて,社員
表の階級を更新する。社員表を社員コードで検索して取得した階級が2
級の場合,該当レコードの階級の値を1にする。それ以外の場合は,
階級の値を2だけ引いた値に更新する。
6 更新 S2ファイルから読み込んだレコードの社員コードと希望職務コードを
用いて, 社員表の該当レコードの職務コードを更新する。
7 更新 昇格者ファイルから読み込んだレコードの社員コードを用いて,社員表
の該当レコードの職群を“管理職"に,階級の値を20に更新する。
8 更新 異動ファイルから読み込んだレコードの社員コードと異動先部署コード
を用いて,社員表の該当レコードの部署コードを更新する。
9 作表  異動ファイルから読み込んだレコードの社員コードで社員表を検索し,
旧社員表,部署表と職務表を用いて人事異動の発表資料を作表する。

 


設問1  

処理2では職群を更新する社員コードだけのレコードからなる昇格者ファイル
を,処理4では階級を更新する社員コードだけのレコードからなる階級更新ファ
イルを,それぞれ作成する。図2及び表中の【  】に入れる正しい答えを,
解答群の中から選べ。解答は,重複して選んでもよい。

  解答群

      ア S1  イ S2  ウ S3  エ 昇格者  オ 職務変更

設問2

図3の中で,処理5〜 8の順番を入れ替え,入替え前と同じ処理結果が得ら
れるように並べたものはどれか。正しい答えを,解答群の中から選べ。

  解答群

      ア 処理6→ 処理7→ 処理8→ 処理5  イ 処理7→ 処理8→ 処理5→ 処理6
      ウ 処理8→ 処理5→ 処理6→ 処理7  エ 処理8→ 処理7→ 処理6→ 処理5

設問3

人事規定の見直しがあり,〔A社の人事規定と人事変更情報〕の(9)が次のと
おり変更される(変更部分を__で示す)。ファイルの項目を変更しない場合,
図2と図3の中で,修正が必要な処理はどれか。正しい答えを,解答群の中か
ら二つ選べ。

会社は,毎年4月1日に職務変更も昇格もしていない社員のうち入社してから1年
以上の社員は,
階級を2上げる。これを昇級という。ただし,昇級前の階級が2級又
は1級の場合は1級となる。また,入社後1年に満たない社員は,階級を1だけ上げる。

  解答群

      ア 処理1  イ 処理2  ウ 処理3  エ 処理4
      オ 処理5  カ 処理6  キ 処理7  ク 処理8

設問4

図3の処理9で用いる社員表には,人事異動の結果が反映されている。人事
異動の発表資料を作表するために必要な旧社員表として正しい答えを,解答群の
中から選べ。

  解答群

      ア 処理5の更新反映前の社員表
      イ 処理5の更新反映後,かつ処理6の更新反映前の社員表
      ウ 処理6の更新反映後,かつ処理7の更新反映前の社員表
      エ 処理7の更新反映後,かつ処理8の更新反映前の社員表

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