ネットワーク機器実習 
(iTAC テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾 
Aコース 4,5回目、Sコース 8,9回目 講義ノート)

最終更新日 2006/05/02
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Tomのネットワーク勉強ノート
 iTAC テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾講義ノート 
   ネットワーク機器実習

iTAC塾講義ノート

コース名

テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾 
Sコース8,9回目(大阪) 
Aコース4,5回目(大阪・名古屋)
合同

講師

みずおか先生

日時

2000年6月24日、25日

10:00〜17:00

場所

1日目 さつきホールもりぐち
2日目 鉄鋼ビル大ホール

内容

ネットワーク機器実習

 

 

(概要)

〜 ネットワーク機器実習 〜
今回の講義は、ネットワーク技術者S君になって会社のネットワークを構築していく課程を
1995〜2000年の背景に合わせて体験していきました。
以下にその内容をまとめます。

常に全体を意識するのではなく、当方が属している名古屋A-1のPCから見た変遷を中心にまとめます。

概要

 メインストーリー

 第一部 ハブによる各グループのLAN構築@1995

 第二部 各グループのハブをカスケード接続@1996

 第三部 スイッチによるLAN構築@1997

 第四部 L(レイヤ)3スイッチによるLAN構築@1998

 第五部 ファイバのLAN構築@2000


メインストーリー実習ガイドより抜粋


☆☆☆ A社コリジョンセグメント分割記 ☆☆☆

今回のiTACネットワーク実習においては、「企業ネットワークのコリジョンセグメン
ト分割の過程」を主眼としています。受講生のあなたは、中堅商社A社に1990年に入
社したパソコン好きな営業部員S君になります。そして、入社5年目の1995年のA社
のコンピューター導入以来、A社のコンピュータの世話をしているうちに、情報システ
ム部員としての道を歩んでいきます。そして、ネットワーク導入とともに実務経験を積ん
でいき、最終的には2000年にファイバ、L3ネットワークを構築する優秀な情報シ
ステム課長になるとともに、情報処理技術者試験のネットワークスペシャリスト試験に合
格し、名実ともに力をつけていくことになります。このシミュレーションを通じて、
1995年から2000年に至るまでのA社のネットワーク拡張を体験していただきます。

(社内ネットワークの拡張)-(トラフイックの増加)-(コリジョンセグメントの分割)
という流れを時間的な側面から追っていくことで、ネットワーク技術の推移を実機ととも
に実体験していただくのが今回の実習のメインテーマです。

今回の実習では、1995年から2000年までのA社ネットワーク拡張の時間的経緯と
ネットワーク技術発展の背景を説明するストーリーに沿っていく形で、2日間の実習を進
めていきます。
また、ピアツーピアからオールスイッチヘと至るネットワーク変遷や、ギガビットイーサネッ
トを実習します。そして、ハブの多段接続制限といった、情報処理試験のネットワークスペシャ
リスト塾で学習してきたことが、実務においても適用されていることを確かめます。
実習では、実機に触れることと、体で感じることを中心としております。皆様は、自分達で持
ってきたノートPCの電源を入れ、ネットワーク接続の設定をし、LANカードをインストール
します。そして、ケーブルを実際に接続し、ボートに差し込みます。通信が確立したら、実際に
データを転送してみます。その時間を計測するのは自分の時計です。体で感じていただきます。
このような実体験を組み重ねていくことによって、理解を深めていきます。

☆☆☆ シナリオの概略について ☆☆☆

1日日のトピック(予定)
・機器のマイクロバスからの持ち出し、搬入作業
・ハブによる各グループのLAN構築
・ハブによる各グループのファイル転送テストおよび報告、まとめ
・各グループのハブをカスケード接続してのファイル転送テスト
・各グループのハブのアップリンク先をスイッチにして転送テスト
・オールスイッチによるファイル転送テストおよび報告、まとめ
・WR11によるワイヤレス接続テスト
・アセット確認!・あとかたづけ・箱詰め・車搬入


2日日のトピック(予定)
・機器のマイクロバスからの持ち出し、搬入作業
・8312によるL3ネット構成での転送テストおよびまとめ
・「Physical View」などによるマネージメント実習
ファイバネットワーク構成によるファイル転送テスト
・G-NICによるファイル転送テストと実測値の計測
・8224XLおよび9006SXによるVLAN構築実習
・アセット確認!・あとかたづけ・箱詰め・車搬入

(実習 第一部 ハブによる各グループのLAN構築@1995)

☆☆☆ 背景 ☆☆☆

パソコン好きなS君はデータの共有のために自グループ内のPCをLAN接続し始めた。

☆☆☆ 目的/内容/確認事項 ☆☆☆

☆ ハブによる各グループのLAN構築 ☆

・グループ内をLANで接続。
・各自のPCにIPアドレスを設定。
・接続をpingコマンドで確認。
・pingのオプション(-l:サイズ変更)でレスポンス時間を測定。

☆ ハブによる各グループのファイル転送テスト ☆

・30〜40MBのファイルを作成。
・「ネットワークコンピュータ」でグループ内のPCが見えることを確認。
・それぞれのPCにTemporary フォルダ(\TEMP)を作り、1:1、n:nで作成したファイル転送。
    転送時間の理論値、実測値を求め、その違いを考察。

☆☆☆ 結果 ☆☆☆

☆ ハブによる各グループのLAN構築 ☆

名古屋A-1グループの設定:グループ名・・・koryouri

表1.1 初期段階でのkoryouriグループのIPアドレス割り当て
PC名 IPアドレス
kiki 192.192.192.11
harry 192.192.192.12
naokin 192.192.192.13
taro 192.192.192.14

・接続をpingコマンドで確認

「ping 192.192.192.13」 >>> 接続を確認。

・pingのオプション(-l:サイズ変更)でレスポンス時間を測定

「ping -l 64 192.192.192.13」 >>> 10ms以内で通信
64ビット、1500ビットでは差は無かったが、10000ビットでは遅くなった。

☆ ハブによる各グループのファイル転送テスト ☆

・30〜40MBのファイルを作成 → 作成ファイル容量:40,673,334バイト
・それぞれのPCにTemporary フォルダ(\TEMP)を作り、1:1、n:nでファイル転送

HUB転送速度: 10Mbps

理論転送時間: 40,673,334 × 8 / ( 10× 10^6 ) = 32.5

実測値(1:1)

表1.2a 初期段階でのkoryouriグループファイル転送時間(1:1)
転送方向  転送時間
1.taro → kiki  3分 17秒 (197秒)
2.kiki → harry 1分 24秒 ( 84秒)
1'.taro → kiki 2分 51秒 (171秒)
3. taro → harry 4分        (240秒)
3'. taro → harry 5分 6秒 (306秒)

taroから送信するデータの通信時間が他に比べて遅すぎる。

原因として

・40MBのデータを作成した際の「ペイントブラシ」が立ち上がっていたため

・コリジョンを頻発させたためにBack Off時間が長くなった

ことが考えられたため、全PCを再起動しやり直してみることにした。

表1.2b 初期段階でのkoryouriグループファイル転送時間(1:1)
転送方向  転送時間
4.taro → naokin  4分 37秒 (277秒)
5.kiki → naokin       43秒 ( 43秒)
6.kiki → taro 1分 10秒 ( 70秒)

平均:173.5秒 (PC"taro”の送信を除くと 65.7秒) 実効速度 4.95Mbps

実測値(3:3)

表1.3 初期段階でのkoryouriグループファイル転送時間(3:3)
転送方向  転送時間  
harry → kiki  3分 22秒 (212秒) この3つを同時通信
(本当は4つのPCで同時通信がしたかったが、
PC”taro”の通信状態がよくないようなので3つにした)
harry → naokin 2分 24秒 (144秒)
naokin → harry 3分 25秒 (205秒)

平均:187秒 実効速度 1.74Mbps

☆☆☆ 考察、まとめ ☆☆☆

HUBによるデータ転送
理論転送時間は32.5秒なのに対して実際の転送時間は1:1で平均65.7秒(taro除く)であった。
原因としては、
IPパケットの構成として、パケット長を64バイトと考えると、
プリアンブル8バイト、IPパケット64バイト、IBG12バイトであり、
その中で、実際のデータは46バイトである。
これを考慮すると 46/(8+64+12)= 0.55であり、転送時間の比 32.5/65.7=0.5とほぼ一致する。

3:3の転送では平均187秒と1:1の時と比較してコリジョンによるスループットの悪化が体験できた。

また、PC(taro)が送信するファイルの転送時間が著しく遅かったのは、当初
・大ファイル作成によるメモリ消費
・コリジョンによるBack off時間の増大
が原因と考え、再起動したが現象は変わらず、
またケーブル、NICも問題が無い事から PC→NIC間に問題があると考える。

(実習 第二部 各グループのハブをカスケード接続@1996)

☆☆☆ 背景 ☆☆☆

グループ内のPCをHUB接続してデータの共有をしていたS君。
周りを見渡すと他のグループも同じようなことをしていた。
S君は各グループのHUB同士を接続することにした。

☆☆☆ 目的/内容/確認事項 ☆☆☆

☆ 各グループのハブをカスケード接続してのファイル転送テスト ☆

・他グループと同じコリジョンセグメントになることによる、IPアドレスの再設定。
・HUBの段数は4段までという規定があるが、それを超えるとどうなるかを確認
・段数を4段以下にして、ファイル転送テストを実行。

☆☆☆ 結果 ☆☆☆

・IPアドレスの再設定

全体のネットワーク番号を 192.168.1 、サブネットマスクを 255.255.255.0 とした。

名古屋A-1(koryouri) は 192.168.1.40番台 が割り振られたので、 

表2.1 全グループをHUBで接続した後のkoryouriグループのIPアドレス再設定て
PC名 IPアドレス
kiki 192.168.1.41
harry 192.168.1.42
naokin 192.168.1.43
taro 192.168.1.44

に変更した。

他のグループのネットワークは?

表2.2 全グループをHUBで接続した後の他グループのIPアドレス一覧
地区 IPアドレス
192.168.1.**
大阪S-1 10番台
大阪S-2 20番台
大阪S-3 30番台
名古屋A-1(koryouri) 40番台
大阪S-4 50番台
名古屋A-3(AO) 60番台
名古屋A-2(trouble) 70番台
大阪A-1 80番台
大阪A-2 90番台
大阪A-3 100番台

・ネットワークの接続状態

(大阪S-1 10番台) -- (大阪S-2 20番台) -- (大阪S-3 30番台)
| |
(名古屋A-1 40番台) ☆情報システム部☆ (大阪S-4 50番台)
|
(名古屋A-2 60番台)

(名古屋A-3 70番台)
|

   |

|
(大阪A-3 100番台) -- (大阪A-1 80番台) (大阪A-2 90番台)

図2.1 全グループのネットワーク接続状態

 

・HUBの段数は4段までという規定があるが、それを超えるとどうなるか?

この状態で、名古屋A-2 → 大阪A-2 (HUB段数 10段)をpingで接続確認をしたところ、レスポンスが返ってきた。

・HUBのカスケード接続によるファイル転送テスト

-----------

-- ------- ( HUB ) ------- -- ---------
| |

< 名古屋A-1(koryouri) >
(  HUB  )

< 名古屋A-2(trouble) >
(  HUB  )
< 名古屋A-3( AO) >
(  HUB  )
|      |     | |      |     | |      |     |
          taro   kiki         kenichi          ao2

図2.2 名古屋地区のHUB接続状態

各グループ1台から一斉に転送する。

表2.3 HUBをカスケード接続し、一斉転送した時のファイル転送時間
(データ容量34.8MB)
1回目 kenichi → taro 286秒
taro → ao2 314秒
ao2 → kenichi 114秒
2回目 kenichi → kiki 140秒
kiki → ao2 127秒
ao2 → kenichi 168秒
3回目 kenichi → kiki 136秒
kiki → ao2 133秒
ao2 → kenichi 155秒

平均:174.8秒 実効速度 1.59Mbps

☆☆☆ 考察、まとめ ☆☆☆

HUBを4段以上接続した時の接続確認テストでは10段でも接続が確認できた。
これは、
・ケーブル長が最大長に比べて短い。
・HUBの性能向上による遅延時間の減少
により、相手側PCへの到達時間が短かったためだと思われる。

(実習 第三部 スイッチによるLAN構築@1997)

☆☆☆ 背景 ☆☆☆

HUB同士を接続してネットワークを拡大したS君。
今度はコリジョンによるスループットの悪化が問題になってきた。
街中ではスイッチングHUBの価格も安くなりだし、S君は導入することにした。

☆☆☆ 目的/内容/確認事項 ☆☆☆

☆ 各グループのハブのアップリンク先をスイッチにして転送テスト ☆

・リピータHUB から スイッチングHUBに交換することによって、どのくらいスループットが良くなるか、
または悪くなるかを確認

・コリジョンランプの点き方に注目。(同時につくか、どこかとペアでつくか)

・転送テストを行う前に、スイッチングHUBの電源を一度OFFにして、ON後すぐにテストを開始する。
それと、OFFにしない方法との差を確認。

☆ オールスイッチによるファイル転送テストおよび報告、まとめ ☆

・全てのPCをリピータHUBから切り離し、スイッチングHUBに接続する(オールスイッチ)。

・アップリンク先にスイッチを置いていた方法との差を検討。

☆☆☆ 結果 ☆☆☆

・各グループのハブのアップリンク先をスイッチにして転送テスト

-----------

-- --- ( Switching HUB ) --- -- ---------
| |

< 名古屋A-1(koryouri) >
(  HUB  )

< 名古屋A-2(trouble) >
(  HUB  )
< 名古屋A-3( AO) >
(  HUB  )
|      |     | |      |     | |      |     |
             kiki         kenichi          ao2

図3.1 名古屋地区のHUB接続状態

各グループ1台から一斉に転送する。

表3.1 HUBをカスケード接続し、アップリンク先にスイッチングHUBを置く
      構成での一斉転送した時のファイル転送時間
       (テスト直前にスイッチの電源OFF)(データ容量34.8MB)
  kiki → ao2 123秒
kenichi → ao2 135秒
ao2 → kenichi 187秒
kenichi → kiki のつもりが、kenichi → ao2になっていたため、再テスト 
再テスト kiki → ao2 123秒
kenichi → kiki 187秒
ao2 → kenichi 143秒

平均:151秒 実効速度:1.84Mbps

 

表3.2 HUBをカスケード接続し、アップリンク先にスイッチングHUBを置く
      構成での一斉転送した時のファイル転送時間
       (テスト直前にスイッチの電源OFFせず)(データ容量34.8MB)
  1回目 2回目 3回目
kiki → ao2 123秒 120秒 121秒
kenichi → kiki 143秒 138秒 138秒
ao2 → kenichi 186秒 173秒 179秒

平均:147秒 実効速度:1.89Mbps

 

2日目、アップリンク先にスイッチを置く方法とオールスイッチの方法での転送時間
の違いを調べるため次のテストを実施した。

@アップリンク先にスイッチを置く方法

---

-- --- ( Switching HUB ) --- ----- --
| | | | |
naokin kiki thomas kenichi  ao1   ao2 

図3.2 名古屋地区のHUB接続状態
(アップリンク先にスイッチを置く方法)

スイッチに接続された3台のみ使用して一斉に転送しあう。

naokin , thomas , ao2 の組合せと
kiki , kenichi , ao1 の2ケースについてテスト

表3.3 スイッチに接続された3台のみ使用して一斉に転送時間  
case1(naokin , thomas , ao2の組合せ)(データ容量34.8MB)
  1回目 2回目 3回目
naokin → ao2 122秒 116秒 115秒
ao2 → thomas 122秒 108秒 113秒
thomas → naokin 85秒 90秒 68秒
表3.4 スイッチに接続された3台のみ使用して一斉に転送時間 
case2 (kiki , kenichi , ao1の組合せ)(データ容量34.8MB)
  1回目 2回目 3回目
kiki → ao1 100秒 94秒 106秒
ao1 → kenichi 113秒 112秒 110秒
kenichi → kiki 72秒 72秒 74秒

2回の平均:100秒 実効速度:2.78Mbps

Aオールスイッチ

---

---- ---- ( Switching HUB ) ------- ----- ----- --
| | | | | | | |
naokin  kiki  thomas  kenichi  toshirou  hiyoko  ao1    ao2  ao3

図3.3 名古屋地区のHUB接続状態
(オールスイッチ)

 

表3.5 スイッチに接続された全てのPCが適当な相手に
ファイルを一斉転送した時間  (データ容量34.8MB)
naokin → ao2 124秒
kiki → thomas 180秒
kenichi → thomas 23秒
thomas → toshirou 88秒
toshirou → hiyoko 70秒
hiyoko → ao3 180秒
ao1 → kiki 380秒
ao2 → kenichi 120秒
ao3 → ao2 153秒

平均:146秒 実効速度:1.91Mbps

☆☆☆ 考察、まとめ ☆☆☆

スイッチングHUBを導入することにより、スループットの改善がはかれると思ったが、
結果は、HUBによる接続(実効速度1.59Mbps)と比較して1.84Mbpsと1.15倍の改善にとどまった結果となった。
原因としては、スイッチングHUBが効力を発するのは、A→BとC→Dのような同時通信ができる時
であり、今回のテストのような3台では同時通信が不可能なのであまり改善されなかったと考える。

次に、転送直前に電源を切る場合と切らない場合にてテストを行った。
スイッチは電源を切るとアドレステーブルはクリアされ、テーブルに登録されるまでは
ブロードキャストで流れるためスループットは悪化するはずである。
テスト結果では、電源を切る(テーブルをクリアする)・・・ 実効速度1.84Mbps
電源を切らない(テーブル情報を持ったまま)・・・ 1.89Mbps
となり、予想通りの傾向が出た。
しかし、大きく取り上げるほどの差が出なかったのは、ブリッジのラーニングが早いからだと推測する。

先ほどの3台でのスイッチのテストでは、スループットがほとんど改善しなかった。
では、全て(12台)のPCをブリッジに直接接続すると同時通信が出来、スループットが大幅に改善すると予想する。
結果は
アップリンクでのスイッチ接続・・・実効速度 2.78Mbps
オールスイッチ接続・・・実効速度 1.91Mbps
で、まったく逆の結果になった。
原因を推測すると、表3.5におけるオールスイッチの結果を見ると、転送時間が23秒、380秒と、
10Mbpsと100Mbpsが混在してるように思える。考察しにくいデータである。
他のグループの結果(ヒロチェンコさん提供)を見ると
平均 2.2Mbps → 3.7Mbps 
という結果になっており、改善されているのが分かる。

(実習 第四部 L(レイヤ)3スイッチによるLAN構築@1998)

☆☆☆ 背景 ☆☆☆

スイッチングHUBの導入でスループットは改善した。
今度は他地区のネットワークとの接続を検討して、自由テキストを導入することにした。

☆☆☆ 目的/内容/確認事項 ☆☆☆

☆ 8312によるL3ネット構成での転送テストおよびまとめ ☆

スイッチングHUBを各グループ2台設置。
・各スイッチを自由テキスト(8312)と接続。
・IPアドレスの再設定
・これによりデフォルトゲートウェイにつながるかを確認。
・他地域のPCとpingで接続確認
自由テキストで確立されるVLANの特長を理解。
・tracert によるルーティング経路の確認
・ダイナミックルーティングのリルートの確認。
    8312ではディスタンスベクター方式のRIP2を使用している。
   つまり、30秒間隔でルータから情報を交換し、4回情報が来なかったら
   そのルートは無かったことにして迂回路を設定する。

☆☆☆ 結果 ☆☆☆

--------

--- ( 8312 L3 Switch ) --- ---------
|
(Switching HUB )    (Switching HUB )   
|      |     ・・・ | |      | ・・・    |
       

図4.1 名古屋地区の自由テキストとの接続状態

 

   
SH

大阪A
10.100.2


SH
   
   

+-

----------- -+    
     

|

     
 

10.1.2

  <自由テキスト>   10.1.1  
         
  <自由テキスト> -- ----------- -- <自由テキスト>  
 

 

10.1.3

 

 

+-

----------- -+  

+-

----------- -+
SH

名古屋A
10.100.3

SH
  SH

大阪S
10.100.1

SH

図4.2 全社構成のネットワーク

☆ この構成ではネットワークが6つあることを確認 ☆

☆ IPアドレスの再設定 ☆

バックボーンネットワークに接続するに当たり、IPアドレスおよびデフォルトゲートウェイの再設定を行う。

名古屋Aの割り振り・・・10.100.3/24

表4.1 バックボーンネットワーク接続後
のkoryouriグループのIPアドレス割り当て
PC名 IPアドレス
kiki 10.100.3.41
harry 10.100.3.42
naokin 10.100.3.43
taro 10.100.3.44

デフォルトゲートウェイ・・・ 10.100.3.254

自由テキストについて ☆

ポート番号 1 2 3 4 5 ・・・ n
ポート ・・・
図4.3 自由テキストポート部概略図

ルータを超えれば違うネットワーク”なので、ルータでは、各ポートは違うネットワークになります。

しかし、自由テキストVLAN機能を使用すると、ポート2と3は同じネットワークと言うふうに、

複数のポートを1つのネットワークにすることが出来ます。

今回も、自由テキストには名古屋Aから2つのスイッチから接続しに行きましたが、
同じネットワークとして設定されています。

☆ ネットワークへのpingによる接続確認 ☆

ping 10.100.1.52(大阪S任意) を行ったところ、接続を確認。

引き続き arp -a でarpテーブルの中身を確認する。

自ネットワークでは、テーブルはpingで確認しあったPCのIPアドレス、MACアドレスが確認できた。

(たとえば、PC(harry)とpingすれば、10.100.3.42 [MACアドレス] )

しかし、他ネットワークの場合は、デフォルトゲートウェイのアドレスが表示されることに注目する。

☆ tracert によるルーティング経路の確認 ☆

tracert(とれーするーとと発音)・・・ルーティング経路を表示させる(日経ネットワーク7月号 P.86)

他ネットワークの任意のPC(大阪S・・・10.100.1.52、大阪A・・・10.100.2.21)へのtraceを確認する。

表4.2 tracert 10.100.2.21 で表示される画面
1 1ms 1ms 1ms 10.100.3.254
2 4ms 2ms 1ms 10.1.2.1
3 5ms 1ms 1ms PC04[10.100.2.21]

表示されるIPアドレスは、それぞれのデータリンクの終点になる。

kiki → 大阪S(10.100.1.52) ・・・ 10.100.3.41 → 10.100.3.254 → 10.1.3.254 → 10.1.3.52

kiki → 大阪A(10.100.2.21) ・・・ 10.100.3.41 → 10.100.3.254 → 10.1.2.1 → 10.100.21

   


SH

大阪A
10.100.2


SH
   
   

+-

----------- -+    
     

|
10.100.2.254

     
 

10.1.2

  <自由テキスト> 10.1.1  
         10.1.2.1
          

10.1.2.254
  10.1.1.254
    \
     10.1.1.1
   
  <自由テキスト> 10.1.3.1--- ----------- --10.1.3.254 <自由テキスト>  
 

10.100.3.254

 

10.1.3

 

10.100.1.254

 

+-

----------- -+  

+-

----------- -+
SH

名古屋A
10.100.3

SH
 

SH

大阪S
10.100.1

SH

図4.3 全社構成のネットワーク

☆ ネットワーク切断によるダイナミックルーティングのリルート機能の確認 ☆

大阪A、名古屋A間のネットワークを切断する。

    大阪A    
       10.1.2.1
 
切断×
10.1.2.254
  10.1.1.254
    \
     10.1.1.1
 
名古屋A 10.1.3.1--- ----- --10.1.3.254 大阪S

 図4.4 大阪A名古屋A間を切断


名古屋A→大阪A(10.100.2.21)のtracert
10.100.3.254 → 10.1.3.254 → 10.1.1.254 → 10.100.2.21

<< 切断した線を元に戻す >>
10.100.3.254 → 10.1.2.1 → 10.100.2.21

ダイナミックルートによってリルートが出来ることを確認した。

☆☆☆ 考察、まとめ ☆☆☆

結果の中で確認、考察しているので省略する。

(実習 第五部 ファイバのLAN構築@2000)

☆☆☆ 背景 ☆☆☆

ファイバーの価格低下に伴い、S君は導入を検討することにした。

☆☆☆ 目的/内容/確認事項 ☆☆☆

・ブリッジ同士ではループは不可。
 しかしスパニングツリーを有効にすることにより可。
 スパニングツリーを有効にして接続確認
・逆にスパニングを無効にして接続確認
ファイバネットワーク構成によるファイル転送テスト
・G-NICによるファイル転送テストと実測値の計測
・8224XLおよぴ9006SXによるVLAN構築実習

☆☆☆ 結果 ☆☆☆

[Giga-SW]----- --- ファイバ --- [Giga-SW]
       |ファイバ        |ファイバ
[8224XL SW-HUB] --- ツイストペア --- [8224XL SW-HUB]
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図5.1 ループ構成図

 

[Giga-SW]----- --- × 切断 × --- [Giga-SW]
       |ファイバ        |ファイバ
[8224XL SW-HUB] --- ツイストペア --- [8224XL SW-HUB]
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図5.2 切断時の迂回路

 

ブリッジのループ試験
 全体をブリッジにて接続しているのでネットワークは一つである。
ブリッジにはループを作ってはいけないという決まりがあった。
しかしそれはスパニングツリー機能を使用することにより回避できる。
図5.1のようにループ状態でping命令を出すと接続確認が出来た。
また、ループの一部を切断(図5.2)してみてもスパニングツリーによる
迂回も確認できた。

逆にスパニングツリーを無効にしたらどうなるか。
マスタリングTCP/IP p.103にはメルトダウンを発生すると記してある。
実際そのループを通るファイルと転送してみるとコリジョンランプの点灯回数、
ループ内のパケット数は時間と共に増加し、最初はpingにて接続確認できていた通信も
タイムアウトが頻発し、通信不可能になった。

ファイバネットワーク構成によるファイル転送テスト
・G-NICによるファイル転送テストと実測値の計測
・8224XLおよぴ9006SXによるVLAN構築実習

については時間がなくてテストが出来なかった。

☆☆☆ 考察、まとめ ☆☆☆

結果の中で確認、考察しているので省略する。


☆☆☆ 【補習1】ファイバのデータリンクについて 〜 NSP掲示板にて 〜 ☆☆☆

実習の中で使用したファイバーケーブルについての疑問点をNSP掲示板にて
いおさん、Y.Kさんの協力により解決しましたので、紹介します。

第5部で使用したファイバについて
今回、8224XLとGiga-SW、Giga-SW同士をSCケーブルで接続した。
これのデータリンクの確立方法は?特長は?

☆☆☆ ケーブルコネクタ形状について ☆☆☆

☆ SCケーブル
・「SC」というのはコネクタ形状のことで、他に、ST,FC,SMA-906などいろある。
・SC形コネクタは、ギガビットEthernet教科書 P90〜P91を見ると国際規格に採用された(IEC 60874-14規格)世界標準と記述される。
・SCコネクタはNTTが開発したコネクタで、PUSH/PULL着脱、2連化(デュプレックスタイプ)が容易などの利点が受け入れられギガビットイーサネット(GbE)やATMに広く用いられている。
・IECを中心に統一作業が進められてきたが、1992年6月にSC形が推奨形コネクタとして採用された。
・かりに正式標準でなくてもGbE、ATM用途での事実上の世界標準であることは確か。
・ST、FC形コネクタについてもGbE、ATM以外の用途にはよく用いられており、SC形コネクタと同じく世界標準になっていると思われる。

☆SC以外のコネクタ
・ST:AT&T開発 バネヨット方式の着脱 100BASE-FXなどにによく用いられている。
・FC:NTT開発 ねじ込み方式の着脱 計測器類などによく用いられる。
・SMA:米軍など使用されているねじ方式の着脱 ロスが多いと言う欠点あり。
・どれも、接続にひねりを伴うため2個のコネクタを一体にして2連化出来ない。

☆これからの、コネクタ
・高密度実装に向けた更なる小型化→SFF(Small Form Factor)用コネクタ
・MT-RJ:タイコ社開発 MT部はNTT開発のMTコネクタ使用、これにRJ-45のようなピンロック付きカバーを付ける
   2芯一括型 RJ-45とほぼ同じサイズ
・MU:NTT開発
・LC:ルーセント・テクノロージー社(AT&T系)
・すべてPUSH/PULL着脱ができ、極めて小型。

参考:BLACK BOX CABLE CATALOG 2000年6月号など

☆☆☆ ファイバーの選択 ☆☆☆

 ファイバ自体の種類もいろいろ
・マルチモード/シングルモード
・ケーブル径
などあるので、製品にあったものを選択する必要がある。

☆☆☆ 本実験でのデータリンク、物理層仕様 ☆☆☆

・データリンクはイーサネットやFDDIとの並びで考えると、「ギガビットイーサネット(IEEE802.3z)」。
・物理層仕様は、1000BASE-SX。

☆ 機器間をファイバー2本使用して接続していたことについて
・単方向通信なので、行きと帰りで2本必要。
・これはギガビットイーサネットだからではない。
だろうが銅線だろうが、1本の線に仮に両方から同時に送れるとするならば、絶対衝突する。
・ツイストペアケーブルなら1本と考えてしまうが、内部的には行き帰りで別の銅線を使ってる。

☆ ギガビットイーサネットの接続方法

  フレームフォーマット 接続方法
Ethernet  Ethernet CSMA/CD
GbE(ギガビットイーサネット)  Ethernet POINT-POINT

GbEはフレームフォーマットがEthernetなので、"イーサネット"の名を継承するが、接続方法はCSMA/CDではなくPOINT-POINT(全2重通信)。
(日経NETWORK 5月号 特集「LANスイッチの完全理解」のP.79)

☆☆☆ 【補習2】スイッチングHUBのワイヤスピードについて ☆☆☆

過去問対策2(iTAC テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾 Sコース 10回目 講義ノート) で補習

☆☆☆ 【補習3】tracertのしくみについて ☆☆☆

過去問演習1-TCP iTAC テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾 Aコース 6回目 講義ノート)で補習

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